交通事故で重症を負い、近隣の医療クリニックで緊急手術を受けたローズ。だが、皮膚移植の際に施された特殊な皮膚中性化処理により、その身体に異変が起きる。左腋にできた裂け目から牙のような器官が生え、彼女に血を吸われた者は新種の伝染病“ラビッド”に冒されてしまう。感染は瞬く間に拡大し、発症者は射殺され、ゴミのように捨てられる。大都会モントリオールは死のバンパイア・パニックに覆われ、底知れぬ恐怖に呑み込まれていく。
現代医学の過剰な進歩がもたらす肉体変容の災厄を描き、カナダに奇想の異才デヴィッド・クローネンバーグありと知らしめた衝撃作。人気CMタレントからポルノの女王に転身したマリリン・チェンバースが悲劇のヒロインに抜擢され、美しい肢体を蝕む未知なる恐怖に身悶えし、強烈なエロティシズムを放つ。
○1977年カナダ映画(製作:シネピックス=CFDC)
○1978年日本公開作品(配給:松竹=富士映画)
1977年シッチェス・カタロニア国際映画祭 最優秀脚本賞&最優秀特殊効果賞受賞 |